ねこの食べ物(Cat Food)

猫研究の面白ポイント

猫は「真性肉食動物」として進化してきました。タンパク質や特定のアミノ酸、必須脂肪酸など、独自の栄養ニーズがあります。これはつまり、人間とはまったく異なる特殊な栄養ニーズを持っているということ。これから「なんで猫って肉だけで栄養足りるの?」と不思議に思うところから始まり、研究による理由を楽しく紐解いていきます!


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1. タウリン:猫にとって“命のアミノ酸”

  • 猫は体内でタウリンを作れません。
  • タウリン不足は「網膜変性による視力低下」「うっ血性心筋症」などの重大問題を引き起こします。
  • 研究では、市販キャットフードにタウリン添加後、これらの病気が激減したことが判明! 猫にとって欠かせない成分なのです。

2. DHA/EPA(オメガ‑3系脂肪酸):脳にも働くスーパー栄養素

「やっぱ魚が好き!」な理由は、科学的にも正しかった!

猫はDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPAなど、オメガ3脂肪酸を体内で十分に合成できません。猫の脳や目に多く含まれるDHA/EPA。魚油を通じて摂る必要があります。最適なオメガ6/3比(約6:1)は、炎症予防やがん・心疾患リスク軽減に有効とされています

高齢猫に魚油+ビタミン類を与えた研究で、学習力や記憶力、空間認識力が向上したとの報告あり。




3. Bビタミン&ミネラル:見落とされがちだけど超重要!


  • B群ビタミン(例:ナイアシン、ビオチン)は、エネルギー代謝・皮膚・被毛に不可欠です。猫はナイアシンも体内合成量が不十分で、食事からの摂取が必要
  • 亜鉛や銅もまた、免疫や皮膚合成に重要で、食事での補給が前提となっています 。
  • ビタミンDも合成能力が低く、食事強化が推奨され、骨・神経機能の維持に関与しています 。

4. 市販 vs 手作り:どう違う?科学的に比べてみたら…

比較軸市販キャットフード手作り・BARF・ビーガン系
栄養バランスAAFCO/FEDIAF準拠(タウリン・DHA・ミネラル等完備)Ecolife+4ウィキペディア+4Untamed+4ほぼ全レシピが鉄・亜鉛・ビタミンE・チアミン欠乏
リスク加工過多?でも科学的に運用栄養不良、手間、細菌感染などリスク大
コスパ安定&手軽。共同研究でも推奨高度な調整と知識が必要、意外と高くつきます

5. 猫メシ3つの“おすすめチェックポイント”

ウェット+ドライの併用:水分摂取+歯の健康に◎

ラベル確認:AAFCO/FEDIAF準拠、タウリン0.1–0.2%、DHA/EPA入り

加熱方法:茹でより焼き調理のほうがタウリン損失少なめ



📚 参考文献

[1]- Sturman et al. 1977 / 1994/Morris et al. 1990:“Taurine in Health & Disease”猫のタウリン欠乏に伴う網膜・心機能障害について、、Merck Vet Manual 2023 (タウリン必須性)
[2]- Stavrinou et al. 2020/Contreras et al. 2000/Biagi & Mordenti 2004/緒方 他 2025:高齢猫におけるDHA・EPA+AAの認知改善効果。
[3]- Pedrinelli 他, 家庭食・オンラインレシピ24種の栄養評価 (2018)
[4]- Spritze 他, タウリンの調理法による影響 (2003)
[5]- Hendriks et al. 1999/Dainton et al. 2022:熱処理とチアミン維持の関連。
[6]- The Spruce Pets, 自家調理リスク(栄養・衛生等) (2004)
[7]- Cummings & Kovacic 2009/Miller et al. 1991/Zafalon et al. 2020:B群、亜鉛、銅、ビタミンDの役割と欠乏影響